お薬手帳 活用して 処方記録1冊に

こんにちは。

少し古い記事になりますが、今回の震災時に大変役に立ったという記事です。

青森県の取り組み、非常に好感もてますね。

統一様式であれば、患者さんの意識も高まるし、我々側から見ると、コストダウンにも繋がるかもしれません。

震災時の病院での待ち時間が6~10倍違ったと言う事ですが、確かに、手帳記載の服用している薬の内容を見れば、患者さんの診断が出来ない我々薬剤師でも、だいたい疾患は想像出来ます。

臨床医であれば、もっと具体的にイメージ出来ると思います。

全国的に、このような取り組みが行えれば良いですね。

 ◇被災地では待ち時間10分の1に

 薬局などで無料で配られる「薬手帳」が、東日本大震災の被災地で診療の待ち時間の短縮などに効果を上げている。

青森では県薬剤師会など三師会が約1年前に県内統一様式の「お薬手帳」を作成したばかり。

処方記録を一冊にまとめることで飲み合わせの副作用を避けられる効果も大きく、三師会は「命と体を守るため有効に活用してほしい」と一層の普及に力を入れている。【山本佳孝】

手帳は医療機関や薬局で患者に無料で配布される。

処方した薬の名前や日時、副作用などを記載。医療機関や薬局間で患者の服用する薬の情報が共有できる。

 しかし、これまで統一したものがなく、受診する病院ごとに複数冊の手帳を使い分ける人や、面倒に感じて使わない人が多かった。

そのため、県薬剤師会と県医師会、県歯科医師会の三師会は10年6月、県内で統一の手帳を共同作成した。

 県薬剤師会の副会長、千葉英三さん(52)が経営する青森市内の薬局では、3~5割の患者が手帳を使っており、統一様式の手帳を使う人も増えつつあるという。

千葉さんは「薬の情報を共有することで、患者さんがどういう状態か把握しやすくなる」と強調。一方で「まだPR不足で周知が十分とは言えない」と課題も口にする。

 東日本大震災の被災地では、何らかの薬手帳を使っている人は診察の待ち時間が大幅に短くなるという効果も確認された。

 県薬剤師会の常務理事、高坂聡さん(49)が、3月24日から5日間、岩手県陸前高田市や大船渡市などの被災地でボランティアした際に発見したという。

例えば、大船渡市の岩手県立大船渡病院では、普段の5倍の人が詰めかける混雑ぶりだったが、手帳を持っている人はスムーズに診察が終わり、薬をもらって帰っていく。一方、手帳のない人は6~10倍もの待ち時間がかかっていた。

 その理由を高坂さんは「手帳のあるなしで患者の状態を医師が把握する時間に差が出たためだろう。災害時にこそ手帳の重要性があると感じた」と話す。統一様式の薬手帳ならさらに便利になる。

 青森大学薬学部の中村郁子教授(医薬品情報学)は「手帳の統一は非常に良いこと」と評価する。

薬の飲み合わせによっては「効き目が弱まってしまうこともあるし、副作用が出ることもある」と説明。市販の薬局で購入した薬もできるだけ自分で記入してほしいと呼びかけている。