電子処方箋「簡単ではない」

こんにちは、すみれ薬局の小原です。

マイナンバー制度導入が先般決まりましたが、それとは別になる見込みがそうですが、健康保険証、引いては処方箋もデータ化する方向で動いているようです。

処方入力、レセプト送信も含めて、電子化による簡便化が大いに進む事と思いますが、下記にあるように、現在、疑義照会によって、日常的に起こっている処方追加、または残薬がある事による削除等の作業が現運用では難しいと思われます。

個人的には、患者様の待ち時間短縮に一役かってくれそうだなとは思いますが、まだまだクリアすべき事項は山積みなようですね。

逆に問い合わせ等で待ち時間が延びてしまうようだと本末転倒なので、しっかりとしたシステムを構築して行ってほしいものですし、現場レベルの声もあげていかなければいけません。

(記事本文)
 日本薬剤師会は、5日の規制改革会議の答申で処方箋の電子化が盛り込まれたことを受け、急きょ、電子処方箋に対する考え方を、8日の都道府県会長協議会で公表した。この問題を検討する厚生労働省の検討会担当の土屋文人副会長は「中身が違うのに、(規制改革会議の答申で)全く同じ名前が使われるなど迷惑」、さらに「紙媒体の優位性が極めてはっきりした面もあり、そう簡単に電子処方箋ができるとは考えられない」とした上で、各地域で実証実験が行われる場合は、違法性の問題も残っており、慎重な検討が必要とした。
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 処方箋を電子化するに当たってどのような問題があるか、2008年初めから厚労省の医療情報ネットワーク基盤検討会で検討を重ね、08年、10年とそれぞれの時点での取りまとめを行ってきた経緯がある。今年3月には報告書「電子処方箋の実現について」をまとめた。
 土屋氏は「電子処方箋を今行うことは、e‐文書法で認められていない。その中で、各地で実証実験が行われている。実施したとしても違法にならないようにすることが重要で、電子処方箋にすることとは別のこと」とした。
 その上で、厚労省検討会の報告書では実証実験を行う地域においては、[1]域内の医療機関・薬局の体制整備が網羅的である[2]認証システムが必要なことから、その地域でHPKI(保健医療福祉分野公開鍵基盤)が普及している[3]患者の求めやシステム等の障害時を想定し、紙による交付にも対応できるようにしておく――の3要件を満たす必要があると説明した。
 実際、従来の紙媒体を担保しつつ、実証実験が行われており、「紙の処方箋の優位性が極めてはっきり出てきている。例えば、調剤済みになり患者さんに薬をお渡ししたら、湿布薬が処方されてなくて追加しようということも紙の場合には可能。ところが一度調剤済みになったものに追加というのは電子的にあり得ないので、もう一度処方箋を発行してもらうことが必須。紙の持つ大きな利便性があって、そう簡単に電子処方箋ができるということは考えられない」と指摘した。
 いずれにしても「電子媒体だけでやることは許されてない。それを違法とならないための省令を2~3年後をメドに考えたらどうかというのが、今回の報告書に記載されている」と解説した。
 このほか、都道府県レベルでの認証の必要性などもあり、問題点を顕在化させる上で実証実験の重要性を認め、「日薬としては、もし実証実験が行われる場合、その地域で特に3条件がどのように担保されているか、該当する薬剤師会はチェックしてもらいたい」とした。

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